ソーシャルアプリ内の『美少女ゲーム』の位置付け

前述しましたが、弊社が参入予定のアプリは『美少女ゲーム』で、去年より運用しているキャリア公式サイトの移植版です。

もともと弊社が美少女ゲームをはじめた理由は、昨年ボルテージが火付け役となった「乙女ゲーム」が携帯で大流行し、企業が次々と参入している中、一方男性をターゲットとしたシミュレーションゲームが全くなかった為、ニッチな潜在マーケットと読み参入を決めたわけですが、読みは辺り今や主力コンテンツとなりました。

モバゲーアプリに参入する事を決めた当初は、シナリオの移植のみで、読み切りコンテンツとして「前課金」を行い、弊社が多数かかえるシミュレーションサイトを一気にリリースするつもりでしたが、研究するにつれて「そんなに甘くない」事を悟り、ソーシャルアプリとして1から作り直す方向に変更しました。

さらに時間を戻すと最初は「萌え学」ではなく別のサイトを移植するつもりでしたが、モバゲーの人気ランキングを見ていると、美少女ゲームは競合が少ないわりに人気がある事に気付き、このジャンルで攻めようと決意しました。


そのアプリは「こいけん」と「ラブ恋」で、リリースが1末の老舗のコンテンツですが、今でもランキング10位以内不動のモバゲーアプリの筆頭コンテンツです。
特に「こいけん」が週刊ジャンプの裏表紙に広告を掲載しているのを見た時は、このマーケットのポテンシャルに身震いがしました。

というわけで、「萌え学」をモバゲーアプリをどのように送り出そうか企画を練りはじめるにあたり、上記2ゲームをやってみると、それはときメモに近い、週を消化していく形式の育成シミュレーションゲームの萌え学の仕組みとは大きく異なり、ボタン1つで女の子に話しかけて、それを延々と繰り返す仕組みで、正直「何だコレ?」というのが第一印象でした。

ですが、最終的には弊社も近い仕組みを取り入れました。シンプルさが、ユーザーにとって入り込みやすいのだろうという考えです。

企画を練るにあたり既存のコンテンツに不足していた部分は以下でした。

1:ゲームに終わり(エンディング)がある

高校を卒業してエンディングを迎えるゲームのため、継続性に問題がありました。シナリオの内容としてエンディングを迎えないように調整するとしても、シナリオ量も限界があるため、ゲームとしての終わりを迎えないように、如何に小出しにするか、それに付随してユーザーにシナリオ以外の部分で楽しませる「仕組み」が必要でした。

2:ユーザー間のコミュニケーションが無い

人気のあるモバゲーアプリの「公式サークル」を見ていると『○○募集』といったトピック名で、ユーザーメリットを前提としたコミュニケーション機能に関するやり取りが多く見られました。ユーザー数拡大には不可欠の機能と判断し、如何にこの仕組みを盛り込むかが課題でした。

3:ユーザー課金をどこで狙うか

本家の「萌え学」も相当課金力がありますが、あくまでユーザー対ゲームの一対一を前提とした仕組みで、さらに公式サイトとして有料ユーザーに対する課金を前提としており、それは無理ユーザーに対してそのまま流用できるものではありませんでした。

無料→有料の導線は今までの弊社のサービスでは経験が無いため、かなり試行錯誤しました。

4:限定などでユーザーに焦燥感、義務感を与える何か

例えば期間限定販売であったり、ユーザーを煽り立てるような仕組みが不足しており、これを如何にゲームに採り入れるか?ここは今も残るテーマです。


以上の内容をクリアする企画を考え、何度もリセットをかけブラッシュアップして今に至るわけですが、具体的内容はまだリリースしてないので省略します。


■課金パターンについて

最も暗中模索な部分が「課金」に関してで、これは今でも調整を繰り返していますが、正直「やってみないとわからない」という前提から、様々なパターンでの課金をまずは試す事にしました。

1:時短アイテム系
現状の企画では、ゲームの進行に時間がかかる仕組みになっており、それを省略するためのアイテム。パラメータを大幅に上昇させる攻略アイテムもこの中に含めます。

2:プレミアムコンテンツ系
待受、フラッシュ、限定シナリオなどを用意しました。これは美少女ゲーム特有の「マニア」の可能性を考えました。

3:コンプリート系
簡単に言うと図鑑のコンプには苦労か課金が必要。というような仕組みを取り入れました。


いずれのパターンが有用なのかは現段階では不明なので、リリース後に、比重を変えていこうと考えています。


■目標数値について
正直売上や会員数については不透明な部分が多く目標をたてにくいのが現状で、最低でも売上200-300万/月はいかないと辛いなとぼんやりと考える程度で、これがどれだけ妥当かもデータがなかなか得られない状態です。(ただし、外すと二束三文にしかならないという事は他社情報でありました…)

現状で指標にしやすいのは「公式サークル」の人数で、メガヒットアプリはリリース後一週間で10000人前後を達成しています。(ちなみにklab社の恋キャバは1日2000人のペースで増加していました)逆にあまり人気の無いアプリは初日でサークル会員数十人。一週間で数百人という増加をしています。(売上直結かは不明だが恐らく関連性は強いと判断)


いずれにせよ、如何にユーザーを増やすかが肝要で、加えてサーバーを落とさない事。この二点は課金への導線と同様に注力しています。


■ユーザーを増やす施策について
モバゲーの会員限定のサービスのため、自身でのプロモーションが難しく、ユーザーに如何に宣伝をしてもらうかがかなり重要だと考えています。

1:友達紹介インセンティブ
→動機付けと、ゲームバランスとの兼ね合いもあり、他社サービスを見ながら検討しています。

2:日記サービス
→ユーザーに日記を書いてもらう事も導線の1つと捉え、促進するしかけを設けました。

3:モバ友限定or優遇
→モバ友のコミュニケーションを促進する何か。現状模索中

4:ニュース機能
→モバ友のゲーム状況?現在模索中


その他以下の部分を重要視して企画を練りました

■話題性
他人に紹介したくなる、語りたくなるポイントを用意する。

■リピート
飽きない事、かつ長期に渡り楽しめるバランス感

■シンプルさ
他社のアプリではチュートリアルを挟むケースが多く、参考にしていますが、現状の多くのアプリが乱立する中複雑なゲームは理解されずに捨てられてしまうだろうと考え、できる限りシンプルな仕組みを心掛けました。

インパク
前述の通り、新着アプリの公式サークル増加率には大きく差があります。ファーストインプレッションを大事にし、ゲスト用トップページのインパクトは大切にしました。


現状の仕上がりは、まだまだ気になる点も残っていますが、かなりの成功期待感を持っています。さらに期待感をあげるため、近日のリリースにむけて、何度もユーザー視点にたって可能な限りのチェックを行いたいと思います。

次はインフラについて